令和5年8月29日(火)、日進市障害者福祉センターで福祉職向け成年後見実務講座を実施しました。本研修は毎年開催しており、架空の事例をもとにしてより実践的に成年後見制度について学んでいただく内容になっています。今回は14名の方にご参加いただきました。

 研修では、架空事例における課題の抽出、代理権や同意権の検討についてグループワークを交えながら取り組みました。グループワークでは当センター職員も参加し皆さんと一緒に協議しましたが、特に代理権や同意権の検討では様々な見解があり、皆さん悩まれたことと思います。

 ある参加者の方から、「心配なのでたくさん代理権をつけたくなってしまう」とのご意見がありました。支援者はあらゆるリスクを想定できてしまうため、本人をまもりたいとの考えからこう思う気持ちも理解できると感じています。ただやはり、過不足のない代理権・同意権をつけることが大切です。本研修会の最後に、センター長の住田から、「成年後見制度は権利擁護と権利侵害の紙一重」との言葉があり、まさにその通りだと思いました。成年後見制度は後見人等の権限がたくさんあれば良いというわけではなく、一歩間違えば本人ができることを後見人等が奪うことにもつながりかねません。

 成年後見制度を権利擁護のための制度にするには、支援者側がそのことをしっかり認識する必要があり、きちんとアセスメントをした上でご本人に提案していくことが重要だと思います。本研修会に皆さんとともに取り組むなかで、成年後見制度に関する相談を受ける支援機関の職員として、襟元を正す気持ちになりました。

本研修会を通して、成年後見制度についてより実践的に知っていただき、日々の支援のなかで活かしていただけることを期待しています。