令和7年6月6日(金)、豊明市文化会館小ホールにて、「~誰もが自分らしく暮らすために~いずれあなたもおひとりさま?」と題して、成年後見セミナーを開催しました。

140名という多数の住民・関係者にご参加いただき、「おひとりさま」に対する地域の皆様の関心の高さがうかがえました。

開会に先立ち、市議会のため臨席を賜ることができなかった豊明市長小浮正典氏のご挨拶を、豊明市重層支援センターの岩佐智幸氏にご代読いただきました。岩佐氏は第2部のパネルディスカッションにもご登壇いただきました。続いて尾張東部権利擁護支援センター理事の宮田恒治よりご挨拶申し上げました。

 第1部では「知って安心!成年後見制度」と題して、弁護士の加藤淳也先生より講演をいただきました。

 「おひとりさま」が直面する課題について、任意後見制度や遺言、成年後見制度の詳しい説明や事例、高齢者サポート事業についてもわかりやすくお話しされ、アンケートでは「わかりやすかった。有意義なお話しだった。」とのお声をいただきました。

 第2部では「わたしらしく暮らし続けるために」をテーマに、桶狭間病院藤田こころケアセンターの精神保健福祉士山本かおり氏、豊明市役所長寿課の藤弘美緒氏、豊明市重層支援センターの岩佐智幸氏をパネリストに、加藤淳也先生をコメンテーターにお招きし、当センターの住田敦子センター長をコーディネーターとしてパネルディスカッションを行いました。

 山本氏からは、精神科病院で働く精神保健福祉士の立場から、頼れるご家族がいないおひとりさまの場合には病院も含めた地域で「本人を支えるチーム」をつくること、正解を求めず繋がり続けることの大切さをお話しいただきました。

 藤弘氏からは、豊明市の高齢化の状況についてデータを紹介いただき、今後「おひとりさま」の課題が大きくなってくると予想されることと説明いただきました。また、その課題に対して豊明市が行っている重層支援センター設置による相談支援体制の強化やエンディングノート配布などの施策について紹介がありました。

 岩佐氏からは認知機能の低下が原因で家賃滞納となりアパート退去を迫られた高齢者夫婦の事例についてお話いただきました。頼れる親族がいないと、適切な治療や福祉サービス利用に繋がりにくくなることが伝わってくる事例でした。

 「わたしらしく暮らし続けるために」、繋がり続けて、一人で抱え込まないようにすること。どのように生きて暮らしていきたいのかを周りに伝えておくことが重要だと感じるパネルディスカッションでした。

このセミナーを通じて、ご自身がどのように生きたいか、将来おひとりさまになった時のために今から何が備えられるかなど考えるきっかけになれば幸いです。

センターではこれからも地域の権利擁護の向上のために、成年後見制度に関するセミナーの開催や、権利擁護に関するご相談の対応、市民後見人の養成等活動してまいりますので、よろしくお願いいたします。