令和6年2月27日(火)、意思決定支援プロジェクト研修会を開催しました。今回の研修は2つの事例を通して、グループワークを行い意思決定支援について考える内容でした。

私自身、印象に残っていることが、事例提供者お二人の姿勢です。研修終了後、グループワークの発表や専門職からのコメント、全体の総評を受け、『アセスメントが足りていなかった』『本人の希望を聞いているつもりでいただけかもしれない』『支援者の価値に誘導されてみえなくなっていた。時間がかかって当然ですよね、本人に向き合います』自身の支援についてしっかり振り返り、この機会を頂いてよかったと言って頂きました。意思決定支援はチーム支援が重要ですので、今後もお二人とチームで支援できる機会を大切にしていきたいと思いました。

正解がないからこそ、意思決定支援の研修を組み立てることは難しく、私自身参加者に何を伝えることができるのか、いろいろ考えていましたが、参加して頂いた方のアンケートもお二人のケースをとおして、自分の支援の在り方を見つめなおす機会となったこと、事例提供者の本人を中心にした支援に対するねぎらいの言葉もあり、何を大切にするべきか、参加者が再認識する機会になったと思います。

 意思決定支援プロジェクトは尾張東部圏域成年後見制度利用促進計画に沿って実施しています。どのように意思決定支援を推進していくのか、中核機関として大きな役割の一つだと感じていますが、この研修会を定期的に行い、小さい単位から少しずつ広まっていくよう今後も研修会を企画していきたいと思います。

またセンター長の総評にあった、『自分の価値で支援を狭めていませんか』という言葉に、支援者は深呼吸が必要な気がしました。本人の支援をしているつもりで、どんどん支援者の価値で狭め見えなくなってしまう。解決を急ぎ支援者間の価値観がぶつかり、最後は本人を説得する。ちょっと深呼吸すると、誰の価値観に基づいて支援すべきか、その説得に意味があるのか、みえてくる気がしました。意思決定支援の研修は支援者自身が自分の支援の在り方を客観的にみつめる機会となること、ちょっと引いて自分の支援を振り返る訓練、それを積み重ねることによって、日頃の支援で実施できるようになる。今後も試行錯誤しながら、この地域に意思決定支援が浸透していくよう、研修を考えていきたいと思います。