F・Gさんが少しでも喜び、快適な生活が出来るように支援する

※内容は、令和5年9月活動記録作成当時のものです。

受任期間 : 平成29年1月~(継続中)

本人について
 氏名 : F・Gさん(女性、受任時70歳)
 居所 : 特別養護老人ホーム(日進市)
 既往歴 : 心臓機能障害、脳梗塞後遺症、要介護5

〇 F・Gさんとの出会いとコミュニケーションへの取組み

  平成28年11月 尾張東部成年後見センター(当時)職員と施設を訪問し、初めてF・Gさんとお会いしました。情報では発語がないと聞いていましたので、不安はありましたが、受任させていただきました。
  受任後は週1回、施設を訪問し、F・Gさんと面会を行いました。自分のところに来てくれる人がいるということを意識していただくために、毎週同じ曜日・同じ時刻に訪問しました。施設のz方がその曜日になると、「今日は、後見人さんが来てくれるね」と、F・Gさんに声かけをしてくださいました。
  受任当初の意思表示は、良い時はうなずき、だめな時は首を振る、足で車椅子を「トントン」とたたくなど、YES、NOで答えて下さいます。文字を使って会話が出来ればコミュニケーションが出来ると思い、ノートに書いて伝えましたが、いっさい関心を示さず。そこで、ひらがな文字盤を使って、指差しをして頂こうとしましたが、文字盤自体を見ようともされず、近くに持っていくと、手で払いのけられました。

  6年たった現在でも、問いかけには、「うなずき」や「首を振る」などで意思表示をされます。
 「穏やかな顔」、「なみだ顔」、時には「しかめ顔」と表情もいろいろですが、少しずつコミュニケーションは取れている様に思います。意思確認は課題として残っていますが、『つねにあなたのことを思っている人間がいる』という事を、表情などから、覚えてくださっているように思います。これからも、F・Gさんご本人の気持ちに寄り添い、少しでもご本人が喜び、快適な生活が出来るように、施設の方と相談しながら進めていきたいです。

〇 訪問時の様子

  施設での催し開催時には、一緒に「ひな祭り」はひな壇を、「クリスマス会」はサンタさんを、「お花見会」は桜を見学し、また、ボランティアの方の歌やおどりも見たりしました。お花見弁当も美味しそうに食べられます。
 食べることや歌が大好きなF・Gさん、ふつうの発語はないですが、施設内の庭を散歩する時は、2人で大きな声で歌います。歌になると、どういうわけか、しっかり歌詞を歌えています。不思議です。

  令和2年2月より新型コロナウイルスが流行し、直接面会禁止やガラス窓越し面会と変化しましたが、概ね面会は出来ました。15分間という制限つきですが、月1回の訪問を続けました。施設に設置されていた携帯電話を通しての問いかけだけでは、なかなかコミュニケーションを取ることが難しいのですが、面会時には涙を流して喜んでくれる時もありました。

  令和5年3月より、ようやく透明アクリル板越しで、直接話しかけることが出来るようになりました。F・Gさんの誕生日に面会した時、「誕生日おめでとう!」と手をたたき、ハッピーバースデーを歌ったところ、はっきりしない発語でしたが、一緒に歌ってくれました。

〇 一番の思い出

  令和元年8月20日、介護タクシーを利用して、F・Gさん、他入所者とその後見人の方と4人で、「コメダ珈琲店」に出かけたことです。気分転換ができたのか、穏やかな表情で美味しそうにケーキを食べられ、喜んでいただきました。
  F・Gさんと一緒に外出したいとずっと思っていましたので、嬉しかったです。

監督人コメント

   F・Gさんは、平成24年2月に尾張東部成年後見センター(当時)が受任した思い出深い方です。特別養護老人ホームに入所し、安定した生活を送ることが、できるようになったため、あとは身上保護面で本人に関わってほしいということから、第1期の市民後見人バンク登録者の下川さんに引き継いで受任していただきました。
  はじめはコミュニケーションをとるためにいろいろ工夫されていましたが、回を重ねるうちに面会に来てくれると、涙をこぼして喜ぶようになりました。下川さんの訪問を心待ちにされるようになったということです。
  市民後見人の活動が始まってから6年。息の長い活動はこれからも続いていくと思われますが、下川さん自身が楽しんで訪問していることが、何より素晴らしいと感じています。